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夢…獏の喰わぬ夢
第3章 春雨

露になった白く柔らかそうな2つの丘に手を這わせると、彼女がビクンと震えた。
僕は宥めるように唇を合わせて、ゆっくりとその柔らかさを堪能する。
彼女の顔が紅く染まるが、もう触れられずにはいられなかった。
僕の拙い表現力では、伝えることができないのが悔しいのだが、
永遠という世界の中に二人漂い、満たし合い、分かち合い、融合していた。
彼女と突然こんなことになるとは、予測できっこなく、僕は避妊する手段など用意しているわけがない。
でもそれだけは、キチンと彼女に確認しなければならない。
僕の蠢くものが、心と体が一致して本来あるべきだった彼女の中に戻ることは、汚れや衝動でないとわかった上で、
彼女の中に還る瞬間に、彼女に、
「いいの?」
と尋ねた。
「大丈夫よ。いいわ。」
彼女も受け入れられる態勢が整っていると、言葉と眼差しで応えた。
ゆっくりと、遠い過去に離れてしまった自分の居場所が、ここで良かったのか再確認しながら、
優しく彼女の中に戻していった。
声にはしないが、彼女の顔に苦痛が見えた。
でもそれは、あまりに永い間離れ離れになった片割れの帰還に驚いただけだろう。

