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夢…獏の喰わぬ夢
第4章 五月晴れ
「明日、明後日と楽しみね。」
彼女は電車を降りる時に言った。
明後日、確かに僕は
「明日と明後日の時間を(君を)欲しい。」
と切り出した。
続いた時間としても別々なものともはっきりしないまま。
彼女の今の言葉はどちらの意味なんだろう。
とっさに上手い言葉が思いつかないまま、
「じゃあ喫茶店で」
と返事をした。
彼女がホームをスキップして歩いているように見えた。
そして、今夜、僕は彼女がいない寂しさに包まれる。
明日と明後日が繋がっているとしたら?夜はどこで過ごすのだろう。
駅につくと、銀行でお金を下ろし、部屋も片付けなければ…。
期待外れになることなど考えずに明日の準備をした。
そして外出先で夜を過ごすことも考えて、
さりげないリュックを選んで、財布を入れた。
クローゼットの奥に押し込んだ紙袋を取り出して、どうしようかと考えた。
半分ずつにして、クローゼットに、残りはリュックの内ポケットに押し込んだ。
疲れてベッドに倒れ込んだ。こんなに用意して明日彼女が待ち合わせの場所に来なかったらどうしようか?
そしたら自分で自分を笑えばいいさ。
いつしか眠りについていた。