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夢…獏の喰わぬ夢
第5章 夢の中
「君の考えは深いんだね。
僕は、一緒にいるのが嫌なのかと焦ったよ。
そうだね。約束はしないよ。
とりあえず、今、僕は君と一緒にいたい。
そしてずっと一緒にいたいと思っている。」
「私もよ。」
幸せ、こんな時のことをいうのだろうか?
今の時を一つの言葉に当てはめるなんて不可能だ。
僕は彼女の肩を抱き優しく撫でた。
最初に性の衝動からみた彼女の夢、
そして公園で獣になり彼女に逃げられる夢を思い出して、
なんて自分勝手だったのだろうと自分を笑った。
彼女は逃げたりしない。
頼りない僕の腕の中にいて、喜びを分かち、さりげなく導いてくれる。
そんな彼女を愛おしいと思う。
そんな彼女を…?
僕は彼女のことを何も知らない。急に不安になったのだ。