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SSS
第4章 私を食べないで。
“相変わらず馬鹿だな、お前は”
「はぁ? なんで」
“この状況が分からないのか……”
まぁ
いつどんな時でも
臆さず見つめ返してくる
“お前らしいな”
「だからどういう意味?」
“お前は今から……”
狼の顔がグッと近付く
野性の肉食獣の匂いがした
“俺に喰われるんだよ”
舞い上がった美和の気持ちは、一瞬フリーズした後、見事に落ちていった
「あ……やっ…」
味見をするようにザラリとした舌が美和の首筋を舐める
怯えて身体を硬ばらせる彼女の中に、優しい声が響いた
“力を抜け…いつもみたいに……”
そうは言われても、胸元を掠める牙に思わずギュッと目を瞑る
ブチッ!!
軽い音とともにパジャマのボタンが弾け飛んだ
“柔らかくて…美味そうだな”
獣の前に晒されたのは、ささやかな膨らみ
その間から激しく脈打つ心臓が飛び出てきそうだ