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本の夢…
第2章 本の先生
ずっと本の虫って言われる中学生だった。
毎日、学校の図書室に行っては本を借りて読む。
家はお父さんとお母さんの仲が悪い。
だから家族でテレビとか見ない。
お父さんとお母さんはお互いが働いている。
だから家族で晩ご飯とか食べない。
いつも家では私1人…。
テレビを見てたらお父さんとお母さんが喧嘩を始めて部屋に行けっていつも言われるからテレビは見ない事にした。
その代わりに本を読むようになった。
いっぱい本を読んだ。
好きなのは恋愛が出て来る本…。
本の中だと男の人と女の人がとても仲が良くて幸せそうに見えたから…。
だけどロミジュリはちょっとショックだった。
あんなにラブラブで幸せそうだったのに勘違いで2人とも死んじゃうとか悲しかった。
クラスの女子が彼氏が出来たとか言っているけれど、その子達も勘違いをしたら死んじゃうのかなって毎日その子を見るのが怖かった。
毎日、毎日、本を読んだけれど私の頭は悪かった。
それもお父さんとお母さんの喧嘩の原因になるのが辛かった。
「お前が放ったらかしにしているから夢(かなえ)の成績が悪いんだ。」
「仕事をするのはお互い様って結婚前に決めたでしょ?私にだけ家の事を押し付けといて偉そうにしないでよね。」
上垣 夢(かなえ)…私の事…。
学校の先生から私立の専願ならギリギリ高校に行けるって言われたから学費がいっぱいかかるってお父さんとお母さんが喧嘩をする。
私の頭が悪いからお母さんは仕事を辞められないの?
私の頭が悪いからお父さんは私が嫌いなの?
勉強よりもそっちが気になる受験生だった。
無事に高校には入れたけれど、両親はますます家に帰って来なくなった。