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もしもシリーズ〜自作品のキャラ達のラブシーン満載。
第8章 聖なる夜に悦なる慈悲を
夜は更に深まり周りの気温も冷たさが増す。
そのせいか二人の吐き出す息が互いの躰の熱を知らしめた。
「辛いならこれで終わりにするか──」
「……っ…」
低くしていた身を起こし、息を乱すルナを見つめる。
時期に神が生まれる時がやってくる──
冷めた黒い空には星が煌めく。
神の生まれる時を待ち望み、祈りながらの背徳の行為。
そんなことが許されてもいいのだろうか──
だがこの快楽には抗えなかった。
腫れた下半身は指よりももっと力強く掻き乱すすものを欲している。
あの、熱い脈を打ち返す硬くて激しく律動する猛りを──
ルナは思わず涙ぐみながら首を横に振った。
「…お、願い…っ…」
「………」
「やめな……っ…いで…」
「──…っ…」
か細い声で懇願し、肩にしがみついたルナにグレイは見開いた瞳を次第に高揚させていく。
欲に負けて羞じらいながら口にした言葉とルナの表情に、グレイの猛りが強く反り返った。
グレイはルナを抱き上げると澄んだ夜空に背を向けた。
神に見せるのはここまでだ──
愛しい贄の悦の嬌声。これ以上はたとえ祝いの日と言え神になど聞かせてはやらん──
グレイは高い月を振り返る。
そして灯りを落とした部屋の中へ静かにその身を消し去った──。