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またいつか貴方と
第30章 居なくなった今
葬儀が終わってから私は部屋からでなかった。
お母さんが食べ物を部屋の前まで運んでくれるけど
少し食べると気持ち悪くなって吐きそうになる。
だから水やスポーツドリンクは飲んでいた。
残したご飯を見てお母さんは
たまにフルーツを持ってきてくれる。
だから私が口にしているのはフルーツと
水分のみだった。
体重はみるみるうちに落ちていき
ありえないくらい細い人間だった。
「鶏ガラだ…」
お風呂に入った時に鏡で自分の体をみて
そう思ってしまった。
このまま食べなければ聡くんのところへ
いくことができるのだろうかと...
お風呂からあがるとお母さんがリビングに居た。
そしてソファに座るように言われた。
「何?」
『沙綾食べて…こんなに痩せちゃって…
お願いだから…っ居なくならないで』
涙を流しながらお母さんは私を抱きしめてくれた。
人の温かさに触れたのは久々だった。