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またいつか貴方と
第31章 卒業
学校に行くのは憂鬱だけれど
卒業は聡くんともお母さんとも約束した。
私は週末は聡くんの家にお邪魔している。
聡くんの死がきっかけで聡くんのお父さんは
日本に帰ってきた。
男手がないから心配だからと
お母さんとこの家に暮らしている。
毎週末お供えの花を持ってくる。
『沙綾ちゃんいつもありがとうね。』
聡くんのお父さんはいつも笑顔で迎えてくれる。
お母さんも少しずつ元気になってきている。
「いつも来てごめんなさい。
卒業までに聡くんのことをちゃんと受け止めたいの。」
学校に行くのもあと2週間。
2月になれば学校は自由登校になる。
そして3月1日に卒業式を迎える私は
卒業後アパレル業界に進むことになっている。
『沙綾ちゃんのおかげだよ。
私たちがこうして居られるのは。』
「ううん。私もすごく泣いた。
けど強くなれって言われたの。
聡くんのためにも強くなるの…」
聡くんが望むように生きていきたい。