この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
嘘やろ!?
第19章 すってんてん
その次の日から少しずつ私の部屋の荷物を透の部屋に透と運ぶ。
「やっと朱音の部屋に入れたんが引っ越しって…、朱音は冷たいよな?」
「ほな、引っ越しは止めてしばらくは透がこの部屋に通って来るか?」
「あほっ…、さっさとこの部屋は解約しろや。」
少し不機嫌な透…。
私の荷物に隆也がくれたものとかがあったからだ。
「捨てるぞ。」
「うん…。」
隆也が買うてくれた服は捨てる。
バッグはリサイクルで売り飛ばす。
ベッドは持って行きたかったけど透が嫌がるから廃棄が決定…。
その代わり電子レンジとか使えるものは透の家に移動する。
私の荷物も大したものはなく新しい家はまだまだ空白が多いままの引っ越しだった。
「ご飯でも食べに行こ?」
「金がねぇ…。」
マジでギリギリの買い物をしてた透に説教をかます。
「アンタ!アプリで稼いでるからって調子に乗り過ぎやわ。」
「何がやねん?」
クールな返事が返って来る。
「すってんてんなるまで無理してマンションとか買うからやろ?学費とかどないするつもりやねん!」
「新しいアプリをゲーム会社に買い取りして貰ったからマンションはその金で買うたんや。契約でその金が入るのが来月やから、その程度なら大人しく生活すりゃええだけやんけ?」
言い返せない…。
いくら私が偉そうにしても透はその先を行く。
「朱音は養う言うたやろ?」
荷物を片付ける私を抱きしめて来る。
わかっとるけど…。
不安になる。
透がまだ学生やから?
若いから?
なんなんやろ?
自分でもわからん…。
信用してるのに…、不安が消えへんから透に言いたくない事を言うてまう。
来月からは新しい生活…。
不安を抱えたまま桜が咲き透と静かな暮らしを続けてた。