- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
きっかけは映画館
第42章 オータムフェア
『今日はまた不思議な現象が起きているところを発掘していきます。
情報によると、なんだか皆さん同じようなバックを…
あ〜、ほらほら、いらっしゃいましたよ。あそこあそこ。』
カメラが最寄り駅に向かって歩く人達を捉える。
そう、今日は晃君の所の局でうちの特集の番組が放送されている。
皆でお弁当を注文してミーティングルームで食べながら番組を見ていた。
『凄くカラフルで独特な柄ですが、よく見るとそれぞれ色が違ったり柄の配置が違ったりしてます。
ちょっとお話を聞いてみましょうか…
奥様、こちらのバックはどちらでお買い求めになられましたか?』
『うふふ…買ったんじゃないのよ、オマケなの。』
『バックがオマケ?凄いですねぇ。どちらに行かれたんですか?』
『ヨーロッパ。』
『え?でも皆さんバックお持ちですよね。』
『うふふ…東京でヨーロッパのスイーツが食べられる所があるのよ。』
『何ですか?それ…』
『ひ・み・つ…』
『何なのでしょう。あっ、向こうにも似たようなバックを持った人が…』