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きっかけは映画館
第43章 きっかけは…
ん…、ヒサオ…明日は、大事な日だから…
「だって麻里絵がイランイランを焚いたでしょ…」
チュッ…チュッ…
「だって、これしか残ってなかったから…」
「ん、麻里絵が違うのばっか焚いたからでしょ…」
「でも違うの焚いたって…するじゃない…」
「だって…そういう約束だから…」
ん…ん…っもぅ…
「ねぇ、麻里絵…今日、お帽子つけなくていい?」
んぁあ…んん…いいよ…だって…もぅ…
ヒサオが嬉しそうに微笑み、私の脚を担ぐ。
「でも…明日に、響かないようにしてよ…」
「ん…わかった。」
ん…んぁあ…
麻里絵…の…ナカ…凄い…
小さくて可愛くて、心も体もギュッと詰まっていて破裂しそうな麻里絵…
それでいて、手厳しいのも健在。
もう、お帽子は着けなくていいと言われて、直に触れ合う麻里絵のナカに、すぐにでも持っていかれそうになる。
明日で出会って一年…
いや何年でもこうしてずっと一緒にいる。