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恋のばんそうこう
第5章 さ
「おい、綾香、このサラダ食べ・・・」
「あ。上杉君に取ってもらった」
ふと乃恵との会話が途切れた時に
白木が思い出したように、サラダを勧めてきた。
「あ、食べてんだ」
「うん」
私の事は気にしないで、どーぞ乃恵と話してて。
いったい何のために私はココにいるんだか。
シーザーサラダのクルトンがドレシングで湿っていた。
「本当に松井、白木と付き合ってるんだ」
上杉君のその会話に「今日までね」と喉の奥で答えて
「うん」
とだけ返事をする。
「俺が好きだって知ってた?」
なんて苦笑いするから
「え!上杉君、白木が好きなの?」
そう、耳元で小さく聞けば
「松井っ!」
可笑しそうに、私のほほを優しくつねった。
「ギャー。ウソウソ」
「全く。そんなトコも好きだけどな」
冗談で済ませようとしたその雰囲気が申し訳ない程に
寂しそうに笑いながら告白なんてするから
「私、成田先輩が好きだったんだよ?」
と、訳の分からないいい訳をしてみる。
「知ってるよ。大声でいつも言ってたじゃん」
思い出したように笑うその雰囲気が、似てる。成田先輩に・・・
「だから、成田さんが卒業するまで待ってたんだけど
ちょっとタイミングがずれちゃったみたいだな」
「・・・・」
「あ。上杉君に取ってもらった」
ふと乃恵との会話が途切れた時に
白木が思い出したように、サラダを勧めてきた。
「あ、食べてんだ」
「うん」
私の事は気にしないで、どーぞ乃恵と話してて。
いったい何のために私はココにいるんだか。
シーザーサラダのクルトンがドレシングで湿っていた。
「本当に松井、白木と付き合ってるんだ」
上杉君のその会話に「今日までね」と喉の奥で答えて
「うん」
とだけ返事をする。
「俺が好きだって知ってた?」
なんて苦笑いするから
「え!上杉君、白木が好きなの?」
そう、耳元で小さく聞けば
「松井っ!」
可笑しそうに、私のほほを優しくつねった。
「ギャー。ウソウソ」
「全く。そんなトコも好きだけどな」
冗談で済ませようとしたその雰囲気が申し訳ない程に
寂しそうに笑いながら告白なんてするから
「私、成田先輩が好きだったんだよ?」
と、訳の分からないいい訳をしてみる。
「知ってるよ。大声でいつも言ってたじゃん」
思い出したように笑うその雰囲気が、似てる。成田先輩に・・・
「だから、成田さんが卒業するまで待ってたんだけど
ちょっとタイミングがずれちゃったみたいだな」
「・・・・」