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恋のばんそうこう
第5章 さ
「ちょっと・・・いい加減にしてよ」
梅雨が終わった夏の夜は
ムシムシして気持ち悪くて
今の私の気持ちを代弁しているかのような湿度だった。
「あんなこと言われて、彼氏として黙っている方がおかしいだろ?」
「彼氏?」
「自分の彼女の面倒を他の男が見るからって言われたんだぞ」
「・・・・」
「・・・何だよ?」
珍しく興奮してる白木をよそ眼に、私は冷めたため息をついた。
「白木が怒る意味が分からないよ」
「あ?」
「本当の彼女だったら怒ってもいいけど」
「・・・・」
「そもそも、何で今日私をココに来させたかったのかもわからない。
乃恵と話してればいいじゃん?好きなだけ」
「・・・・」
「私が暇そうだったから上杉君が話してくれただけでしょ」
「俺が隣にいるのに、お前の事狙ってるなんて言ったんだぞ?」
「だからさ、それだって、本当の彼氏じゃないんだから聞き流せばいいじゃん?」
「・・・・」
「そもそも、私たちは今日で終わりでしょ?
上杉君の告白を私が受けてもいい訳でしょ?」
「・・・お前、成田さんが忘れられないんじゃないのかよ?」
「上杉君・・・雰囲気が成田先輩に似てるんだもん・・・」
「綾香、本気で言ってんの?」
いつも・・・
ポーカーフェイスで
何事にも動じず、少しさめた顔で物事を斜めから見るような白木が。
珍しく怒ったかと思ったら
一気に表情をなくして、私にそう聞いてきた―――
梅雨が終わった夏の夜は
ムシムシして気持ち悪くて
今の私の気持ちを代弁しているかのような湿度だった。
「あんなこと言われて、彼氏として黙っている方がおかしいだろ?」
「彼氏?」
「自分の彼女の面倒を他の男が見るからって言われたんだぞ」
「・・・・」
「・・・何だよ?」
珍しく興奮してる白木をよそ眼に、私は冷めたため息をついた。
「白木が怒る意味が分からないよ」
「あ?」
「本当の彼女だったら怒ってもいいけど」
「・・・・」
「そもそも、何で今日私をココに来させたかったのかもわからない。
乃恵と話してればいいじゃん?好きなだけ」
「・・・・」
「私が暇そうだったから上杉君が話してくれただけでしょ」
「俺が隣にいるのに、お前の事狙ってるなんて言ったんだぞ?」
「だからさ、それだって、本当の彼氏じゃないんだから聞き流せばいいじゃん?」
「・・・・」
「そもそも、私たちは今日で終わりでしょ?
上杉君の告白を私が受けてもいい訳でしょ?」
「・・・お前、成田さんが忘れられないんじゃないのかよ?」
「上杉君・・・雰囲気が成田先輩に似てるんだもん・・・」
「綾香、本気で言ってんの?」
いつも・・・
ポーカーフェイスで
何事にも動じず、少しさめた顔で物事を斜めから見るような白木が。
珍しく怒ったかと思ったら
一気に表情をなくして、私にそう聞いてきた―――