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恋のばんそうこう
第1章 こ
「バカバカバカバカバカ!」
「上手く行ったじゃん」
「なんであんなこと大声で言うのよ!」

そのまま2人で出た店の外で
怒りをあらわにして白木にたたみかける。

「あんなこと言って!私、まだ成田先輩が好きだって言ったじゃん!」
「だから、フリだって言ってんだろ?」

白木が、心行くまで乃恵を好きでいたいだけじゃん!

「勝手に乃恵を好きでいればいいじゃん!
何で私まで巻き込むのよ!」

「お前だって柳下や斉藤に『早く成田さんを忘れろ』って言われるのイヤだろ?」
「イヤだけど!」
「自分が納得するまで好きでいたいんだろ?」
「・・・・」
「だったら、深く考えずに、俺とフリしてればいいんだよ」
「でも・・・」

「めんどくさい奴だな」

白木は、呆れたようにため息をついた。

あんたのほうがめんどくさいわっ!
こんな顔は一生乃恵には見せないに違いない。

「別に俺と寝ろって言ってる訳でもあるまいし」
「何それ!好きでもないオトコとエッチするわけないでしょ!」
「だから言ってねーだろう」

こんな乱暴な言葉遣いも乃恵にはしないに違いない。

白木は乃恵の前だとイヤな自分を見せない。

そんな扱いを受けている乃恵が羨ましい。

「とにかく。もう宣言しちゃったんだから」
あんたが勝手にね!
「成田さんをふっきれたら、言って」
「あんたに言ってどーすんのよ」
「そうしたら、松井も彼氏を見つけたいだろ?」
「・・・」
「そうしたら別れてやる」

えっらそーに!
何が別れてやる!よ!

私は一発白木のお腹にパンチを入れた。

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