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明日に架ける橋
第3章 罪と赦し
「ここは私の’主人’の屋敷です。何年も音信不通だったあなたこそ、口出しする権限は
ないでしょう」
「この家のことを長年放っておいた責任はもちろん私にもあります。それに関してはいくらでも罪を受けましょう。しかし、この先もあなたがこの家で暮らすことは別問題です。
今すぐこの家を出ていきなさい。
そして今後いっさい有坂の家に関わりを持たないでください」
「だから言ってるでしょう。ここは私の主人の・・・・」
「弟はあなたの’主人’ではありません。あなたは内縁の妻に過ぎない」
文子の言葉に貴子が激高した。
立ち上がり、文子を激しく罵る。
「あの人が病に臥してる間、誰がつきっきりで看病したと思ってんのよ!あんたなんか
何の援助もしなかったくせに!!あの娘だって自分のことばかりで、何もしなかった!!
この私に敬意を払うこともなく、のうのうと・・・・」
「いいですか。もう一度言います。’あなたは内縁の妻に過ぎない’。法的には相続権は
ありません。それでも弟はあなたに対して資産を分け与えているんです」
「どれだけ手厚い介護だったか知らないが、有坂氏は、あんたと婚姻関係を結ばなかった。
それが全てだ。あんたと結婚する価値は無いと判断したからじゃないか」
清人が二人の間に割って入った。
「なんですって・・・・!」
貴子は体をわなわなと震わせて清人を睨む。
「どう考えたってあんたは不利だ。警察に突き出したらたくさんボロが出てくるだろう。
花憐の月々の手当はどうしてる?あんたが使い込んでるんだろ?調べればすぐわかる。
それだって十分犯罪なんだ。銀座のビルの最上階で、あんたがヤバイ商売やってることも
わかってる。それだってすぐに通報できるんだ」
「でたらめなこと言わないでちょうだい!私は有坂の人間ですよ。そんな底辺の人間たちが
やるようなことはいっさいしません!」
貴子は事態が不利になってきても、一向に怯まなかった。
それどころか、自棄になり、威勢を増していくようにさえ見えた。
ないでしょう」
「この家のことを長年放っておいた責任はもちろん私にもあります。それに関してはいくらでも罪を受けましょう。しかし、この先もあなたがこの家で暮らすことは別問題です。
今すぐこの家を出ていきなさい。
そして今後いっさい有坂の家に関わりを持たないでください」
「だから言ってるでしょう。ここは私の主人の・・・・」
「弟はあなたの’主人’ではありません。あなたは内縁の妻に過ぎない」
文子の言葉に貴子が激高した。
立ち上がり、文子を激しく罵る。
「あの人が病に臥してる間、誰がつきっきりで看病したと思ってんのよ!あんたなんか
何の援助もしなかったくせに!!あの娘だって自分のことばかりで、何もしなかった!!
この私に敬意を払うこともなく、のうのうと・・・・」
「いいですか。もう一度言います。’あなたは内縁の妻に過ぎない’。法的には相続権は
ありません。それでも弟はあなたに対して資産を分け与えているんです」
「どれだけ手厚い介護だったか知らないが、有坂氏は、あんたと婚姻関係を結ばなかった。
それが全てだ。あんたと結婚する価値は無いと判断したからじゃないか」
清人が二人の間に割って入った。
「なんですって・・・・!」
貴子は体をわなわなと震わせて清人を睨む。
「どう考えたってあんたは不利だ。警察に突き出したらたくさんボロが出てくるだろう。
花憐の月々の手当はどうしてる?あんたが使い込んでるんだろ?調べればすぐわかる。
それだって十分犯罪なんだ。銀座のビルの最上階で、あんたがヤバイ商売やってることも
わかってる。それだってすぐに通報できるんだ」
「でたらめなこと言わないでちょうだい!私は有坂の人間ですよ。そんな底辺の人間たちが
やるようなことはいっさいしません!」
貴子は事態が不利になってきても、一向に怯まなかった。
それどころか、自棄になり、威勢を増していくようにさえ見えた。