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明日に架ける橋
第3章 罪と赦し
「・・・この家から出ていき、今後有坂の家とは関係を絶つという約束をしてくれるのなら、あなたを警察に突き出すことはしません。今までされてきたことも全て忘れます」
花憐は声を上げて泣き続ける貴子に向かって言った。
聖子が貴子を抱きかかえて立たせた。
「言われなくったって、もうこの家には関わりたくないわ。あんたの顔も二度と見たくない。ママをこんなに傷つけて・・・・。晴彦、行くわよ!」
晴彦は姉に呼ばれて、ついていこうとしたが、清人がそれを止めた。
「彼は母親から虐待を受けているようだ。もう成人してるから、保護するってことも
できないだろうけど、一緒に暮らすべきじゃない」
「晴彦は私たちの家族です!ほっておいてください」
聖子が母親にそっくりの口調で言った。
「彼の体を調べたらすぐわかる。それこそ君の母親が殺人犯になるのもそう遠くないだろうね。弟がいなくなったら、矛先は君に向かうだろうから君にとっては困るだろうけど」
「晴彦さん、あなたはどうしたいの?」
清人を前に、おどおどしている晴彦に花憐は尋ねた。
「ぼ・・・僕は・・・・・」
「こいつが一人で生きていけるはずないわ!もう何年もずっと引きこもってんだから!!」
姉に怒鳴られ、晴彦は萎縮して黙り込んだ。
「そんなことはない。まだ若いんだ。俺のツテでいくらでも仕事は紹介する。住むところも
用意しよう。大事なのは本人の意思だ」
清人の言葉に花憐は勇気付けられ、晴彦に言った。
「そうよ。まだまだこれからいくらでもやり直せるわ。あなたもいつかは自立しなくちゃ
いけないんだもの」
「僕・・・・・」
晴彦は大きな決断を迫られ困惑しているようだった。
花憐は声を上げて泣き続ける貴子に向かって言った。
聖子が貴子を抱きかかえて立たせた。
「言われなくったって、もうこの家には関わりたくないわ。あんたの顔も二度と見たくない。ママをこんなに傷つけて・・・・。晴彦、行くわよ!」
晴彦は姉に呼ばれて、ついていこうとしたが、清人がそれを止めた。
「彼は母親から虐待を受けているようだ。もう成人してるから、保護するってことも
できないだろうけど、一緒に暮らすべきじゃない」
「晴彦は私たちの家族です!ほっておいてください」
聖子が母親にそっくりの口調で言った。
「彼の体を調べたらすぐわかる。それこそ君の母親が殺人犯になるのもそう遠くないだろうね。弟がいなくなったら、矛先は君に向かうだろうから君にとっては困るだろうけど」
「晴彦さん、あなたはどうしたいの?」
清人を前に、おどおどしている晴彦に花憐は尋ねた。
「ぼ・・・僕は・・・・・」
「こいつが一人で生きていけるはずないわ!もう何年もずっと引きこもってんだから!!」
姉に怒鳴られ、晴彦は萎縮して黙り込んだ。
「そんなことはない。まだ若いんだ。俺のツテでいくらでも仕事は紹介する。住むところも
用意しよう。大事なのは本人の意思だ」
清人の言葉に花憐は勇気付けられ、晴彦に言った。
「そうよ。まだまだこれからいくらでもやり直せるわ。あなたもいつかは自立しなくちゃ
いけないんだもの」
「僕・・・・・」
晴彦は大きな決断を迫られ困惑しているようだった。