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私の欠けているところ
第9章 だから俺はその地獄から抜け出したくて

そのとき俺は
時が
アイツに抱かれてるんだと
思っていた
そう思ってたけど
俺には
目の前のドアを叩くことも
時に電話をかけることも
できなかった
ムカついていた
アイツにも時にも
腹が立ってた
どうしようもない怒りが湧いて
ほんとは
ドアを叩き破りたい気持ちだった
けど
よく考えれば
俺の方が浮気相手で
セックスをする相手として
時が選んだのが…アイツ
そして
今
まさに今
時が幸せを感じていて
心が満たされてるのなら…
その
時が心から満たされる時間を
壊していいのか?
…と

