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私の欠けているところ
第10章 逃げ回る時を追いかけたんだけど

時は

両手で顔を覆ったまま

泣いていたんだ


俺に

帰れと叫びながら


耳を真っ赤にしながら


泣いていたんだ




俺は

そんな時を

抱きしめたくて


痛いほど抱きしめたくて
たまらなかったけど



俺が
そっと時の肩に触れると

時は

俺の手を振り払って


俺の肩を
強く押したんだ



もう

帰って欲しいと


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