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私の欠けているところ
第4章 俺のついた『嘘』のおかげだったんだけど
「すみません、矢部さん」
外から戻ってきた
同僚の平山さんが
矢部さんを呼んだ
「なんだ?」
「さっきの件
深海さんに確認しに行ったんですけど
休みみたいで」
え?深海さん…休み?
「ん?
なんだ風邪か?」
「ちょっとよく分からないんですけど
いつものだから
遅くても明後日には出てくるって
総務の人は言ってました」
「あ~いつものな。
あんま急ぎじゃねぇから
時ちゃん出勤してから確認でかまわねぇよ」
「わかりました」
え?何?
深海さん大丈夫なのかよ
それに
いつものって…何
俺は気になって仕方なく
矢部さんに
聞いてみることにした
「深海さんって総務のですか?」
「おぉ、こないだ話した時ちゃんな」
「いつものって…」
「あ~あいつ
たま~に倒れんだよ貧血で。
一年に一回あるかないかだけどな。
薬飲んで2.3日すれば
治ってくるんだ」
「そうなんですか…」
もしかして
もともと具合悪かったのに
週末俺が連れまわした挙句
LINEで夜更かしさせて
それで倒れたんじゃ…
急にLINEを終わりにしたのも
具合が悪くなったからかも
そう思いはじめた俺は
居ても立っても居られず
昼休みに入った途端
深海さんにLINEを送った