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第2章 お誕生日
涼は、欲望を満たすとさっさと帰ってしまった。投げ出された父からのプレゼントの紙袋は、泥で汚れていた。
私はそれを拾い上げ歩き出した。ぐちゅぐちゅと濡れた靴が歩くたびに音を立てた。家までの10分がとても長く感じた。
私は壊れた心を必死に掻き集めようとしたが、それは粉々に砕け散っていて、元に戻す事が出来ない。解放されて、ホッとしたはずなのに、涙は一滴も出ない。
身体の感覚は鈍感になって、まるで透明なバリアが私の周りにある様だ。
スカートが揺れるたびに、尿と饐えた香りが立ち昇ってきた。家に着くと、母は居なかった。私は靴下を脱ぎ靴を持って洋服のまま、浴室へと行った。
キュッとハンドルを捻り湯を出すと、私は服のままシャワーを浴びた。足元から白い塊がつるりと排水溝へ流れて落ちていく。
「お誕生日 おめでとう」
私はそれを見ながら、呟いた。
私はそれを拾い上げ歩き出した。ぐちゅぐちゅと濡れた靴が歩くたびに音を立てた。家までの10分がとても長く感じた。
私は壊れた心を必死に掻き集めようとしたが、それは粉々に砕け散っていて、元に戻す事が出来ない。解放されて、ホッとしたはずなのに、涙は一滴も出ない。
身体の感覚は鈍感になって、まるで透明なバリアが私の周りにある様だ。
スカートが揺れるたびに、尿と饐えた香りが立ち昇ってきた。家に着くと、母は居なかった。私は靴下を脱ぎ靴を持って洋服のまま、浴室へと行った。
キュッとハンドルを捻り湯を出すと、私は服のままシャワーを浴びた。足元から白い塊がつるりと排水溝へ流れて落ちていく。
「お誕生日 おめでとう」
私はそれを見ながら、呟いた。