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金曜日
第3章 きっかけ 2
『佐藤ー、お疲れ!』
地下鉄の入り口の手前で後ろから声をかけられた。
「あっ、大城さんお疲れ様です。」
普段、会社の車で通勤しているはずの大城さんが歩きで帰ってる。
『お前どこまで?』
さっきは佐藤って呼んだのに、お前って。
「あっ、星の里までです。」
最寄り駅の事かな?って思ったから、そこからまだバスなんだけど、あえて言わない。
『あー、俺は千田で乗り換えだから途中まで一緒だな。』
えっ、一緒に帰る?
いやいや、私はマンガ買いに行きますので、なんて言えない。
「あっ、そうなんですね?千田からどこまで乗るんですか?」
あっ、しまった!家を聞き出す様な質問!
慌てる私をよそに、
『春日までー!あー、疲れたなー!』
なんて、簡単に答えて、腕を上げて伸びをしてるし。