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金曜日
第15章 私のお城
『あかりー』
リビングから翔大さんが私を呼んだ
『あかりー、終ったー?』
リビングに戻り
「洋服クローゼットに掛けてきた」
『なんもないよな?(笑)』
「お部屋使ってなかったの?」
『あぁ、向かいの部屋は俺の趣味部屋でー、あとは使ってない(笑)』
趣味部屋?ちょっと気になる(笑)
「趣味部屋って?なに?」
『あかり、見てもわかんないよー(笑)』
余計に気になるー(笑)
「見てきていい?」
『いいけど、さわんなよ?』
なんだろう?見てもいいのね?
部屋のドアを開けるとそこには
いくつものモニターが起動したまま
チカチカと数字の羅列を映し出している
えっ?なに?これ?
マジで触ってはいけないと思い
慌ててドアを閉める
リビングに戻り
「な、なんか、凄いことやってるの?」
翔大さんは笑いながら
『大学時代からいろいろとね?』
『まぁ、会社での稼ぎより、多いから、あかりはなんにも心配することないよ?』
なんて、さらっと言ってのけた
えーーー、会社での稼ぎより多いってーーー!
なにそれーーー!
今日は翔大さんについて知ることが多すぎて
すでに私の頭はパンクしてます
私が隠していた私の素性よりも
翔大さんが隠していたことの方が凄すぎて
もう、よくわかんないや
『あかり、コーヒー飲む?あっ、紅茶がいい?』
翔大さんはキッチンでお湯を沸かして聞いてきた
『コーヒー飲む』
『りょーかーい!あっ、インスタントだけどね(笑)』
慣れた手つきでマグカップに粉を入れ
『砂糖とミルクは?』
「うん、入れる」
『あかり、冷蔵庫からシュークリーム出してー』
さっきお買い物のついでに買ってきたシュークリームを出して
『こんな時間に食べて平気?(笑)』
「うん、甘いもの食べたかったから、平気(笑)」
ふたりでソファーに座り、私はシュークリームを頬張ると
プチュとクリームが口の端についた