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金曜日
第8章 口に出せない気持ち 1
「嬉しかったんだよ。」
「私も佐藤ちゃんが入社してきた時、めちゃめちゃ可愛い子が来たなって思っててー」
「でもさー顔だけで、ちやほやされるのって、辛いじゃんね?」
「しょせん顔だけって言われないようにしなくちゃって」
「私は仕事でも文句を言われないくらい、頑張ってきたの」
「佐藤ちゃんが来た時、同じ匂いがした!」
「この子、出来る子だと。」
「ずーっと、そういう環境で生きてきたら、同じこと思うんだね(笑)」
「本当に頑張り屋さんの佐藤ちゃんに、ステキな彼氏が出来るといいなって!」
「私はそう思ってるよ?」
上野先輩が、私を私自身を見ていてくれたことに
共感できる感情を持っていることに
嬉しくてポロポロ涙が出てきて、
それを見た上野先輩まで、涙をポロポロ。
『あー、二人で泣いてー!』
「うんうん、ふたりとも頑張ってるよ。見てる人は見てるから、大丈夫。大丈夫。」
大城さんは私を、
森さんは上野先輩を
頭よしよししながら、優しく見守っていた。