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炎の王妃~月明かりに染まる蝶~
第9章 夢でも
 ひげ面の男は平然と応える。



「子細は存ぜぬが、こたびの件は大妃さまの思し召しによるものと聞いています」


「大妃さまの―」



 申尚宮が息を呑んだ。現状で、粛宗がオクチョンを断罪するとは考えがたい。三日前も王は愛してやまない恋人の許を訪ねたばかりだった。
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