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炎の王妃~月明かりに染まる蝶~
第10章 花と蝶の居場所
「お祖母さまが亡くなられたなんて、嘘のようだ。今朝、お見舞いに伺ったときは、お元気そうだったのに」



「私も夕方にお伺いしたの。弱ってはいらしたけど、まさか亡くなられるとは思いもしなかった」




 オクチョンは掛けられた白布を捲った。夕方、最後に見たときのままに穏やかな表情である。まるで眠っているだけで、呼びかければ〝オクチョン、来たか〟と眼を開きそうであった。
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