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炎の王妃~月明かりに染まる蝶~
第10章 花と蝶の居場所
 まるで本当の祖母を失ったようで、心の中心にぽっかりと大きな洞(うろ)が空いたような心地がする。



 せめて最後のお別れは、きちんとしたかった。けれど、大妃が来たからには、オクチョンは帰らなければならない。





 オクチョンは大王大妃殿の正面で立ち止まった。背後に付き従う申尚宮とミニョンも止まる。大王大妃殿の周囲では、主人の死を嘆く女官たちの泣き声がひっきりなしに聞こえた。
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