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炎の王妃~月明かりに染まる蝶~
第4章 月夜の銀花~契り~
 彼と出会って恋に落ちてからというもの、オクチョンは少女から大人の女への階(きざはし)を全速力で駆け上っていた。当人が知らないだけだ。





 夕暮れ時の蓮池の美しさを存分に堪能し終える頃には、周囲の風景はもう薄墨を溶き流したような宵闇に沈もうとしていた。


 空を仰げば、熟れた果実のような太陽はとっくに消え、淡い藍色に染まっている。女人の眉のような繊細な月が空に昇り、よく研いだ小刀のように見える細い月は、オクチョンに何故か危うさを感じさせた。
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