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炎の王妃~月明かりに染まる蝶~
第4章 月夜の銀花~契り~
けれど、スンの国王だという立場を考えれば、当然ともいえた。王が新たな女人を迎えるというのは、それほどに重大なことなのだ。が、オクチョン当人は、自分が王の〝お手つき〟となるのがどれだけ大きな意味を持ってくるのか、この時点では殆ど理解できてはいなかった。
大殿に入り、よく磨き込まれた長い廊下を、一行は粛々と進んだ。宮仕えに上がって三ヶ月、オクチョンとて大殿に来たことがないわけではないが、馴染みがないのに変わりはない。