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第14章 相手がいない…



キャミソールとパンティだけになった私を涼ちゃんが軽々と抱き上げてベッドに運んでくれる。

私がしなきゃいけないんだっけ…。

涼ちゃんが試合前だから、涼ちゃんの身体の事を考えてしまう。

ふわりと顔が撫でられた。

目の前に切ない顔をした涼ちゃんが居る。

今にも泣きそうな目…。

胸の奥がきゅんと痛くなる。

なんで…、そんな顔をするの?

私が涼ちゃんのして欲しい事を出来ない子だから?

不安になって涼ちゃんのシャツを握りしめる。

涼ちゃんがゆっくりと私の額にキスをする。


「俺はただ…、理梨が欲しかっただけなんだ。」


そう言った涼ちゃんが私を強く抱きしめた。


「涼ちゃん?」

「今日は何もしなくたっていいよ…。」

「だって…。」

「理梨がしたいなら…、する。けど…、理梨の身体だけが欲しい訳じゃない。」


泣きそうな声に胸の痛みが激しくなる。


「全部、涼ちゃんのだよ。」


そう言ってあげるのが精一杯。


「わかってる。それでも…、俺は多分、理梨には無茶をしてしまう。理梨が嫌がっても、そういうやり方しか俺はしてやれない気がする。」

「だったら、涼ちゃんの好きにしていいんだよ。」


私がまた何かで涼ちゃんを追い詰めているのかもしれないと考える。

また涼ちゃんが無茶をして遠くに行くんじゃないかとか思うと怖くなる。

だから涼ちゃんにしがみつくようにして抱きつく。


「涼ちゃんが好き…。涼ちゃんだけが好きだから…。」


涼ちゃんを失う事だけは出来ない。

恋愛ってよくわからない。

私には、いつも必ず涼ちゃんが居てくれた。

それが当たり前で涼ちゃんが私の傍から居なくなるとか絶対に考えられない存在だと感じる。


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