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VERTEX
第19章 欲しいのなら…

私が涼ちゃんに伝えたいのに…。
涼ちゃんみたいに余裕がない。
「涼ちゃん…。」
「わかってる。そういう理梨が好きだ。」
私の限界を理解してくている。
私の気持ちはちゃんと涼ちゃんに伝わってる?
体制が変えられて私がベッドに寝かされる。
涼ちゃんが私の上で動き出す。
「涼ちゃん…?」
「無理をさせたい訳じゃないって…。」
涼ちゃんが笑ってくれる。
「涼ちゃんが好き…。」
「理梨からそう言われたら泣きそうだ。」
声が漏れそうになるとキスで口を塞いでくれる。
私が辛くないようにとゆっくりとだけ動いてくれる。
ずっと涼ちゃんは優しくしてくれる。
だから涼ちゃんが好き。
大好きなの…。
小さな私は涼ちゃんにしがみついて甘やかされるだけの女の子…。
そんな私で構わないと涼ちゃんが言う。
お互いがお互いの存在が居なくなる事なんか考えられない繋がり。
「涼ちゃん…。」
「イキそう?俺も…、イク…。」
「一緒に…。」
いつも一緒…。
いつも半分っこ…。
いつも傍に居てくれて、いつも笑ってくれる。
「だから…、涼ちゃんが好き…。」
私は涼ちゃんに縋ってしがみつくだけの女の子。
そんな私を誰かに取られたくないと涼ちゃんが抱きしめてくれる。
でもね…、今は悪い魔女に拐われるのは私じゃなくて涼ちゃんの方…。
それだけ涼ちゃんがカッコ良くなっちゃったから…。
情けない顔で私の後を追いかけ回す涼ちゃんのままで居て欲しいと今更に思う。
私の中でイッてくれた涼ちゃんが私の小さな胸に顔を埋めて眠る。
「おやすみ…。」
涼ちゃんの頬にキスをして涼ちゃんを起こさないようにしてベッドから抜け出す。
私が涼ちゃんを守りたい。
どうやればいいかなんかわからない。
それでも涼ちゃんを失くせば私が耐えれないとだけはわかっていた。

