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Eternal
第3章 :confusion-混乱-
私と男の唇が離れ、私は閉じていた両目をゆっくりと開いた瞬間、喉元に急激な圧迫を感じた。
く、苦しい……
暗闇に慣れる為に私の両目の瞳孔に散瞳が起こる。息苦しい中でその両の瞳に映し出されたのはあの男の顔。その中には相も変わらない笑みが浮かび上がっている。その男は『ヒト』のものとは思えない程の強い握力で私の首を、それも片手で押し潰そうとしていて、そのような行動の中で意味不明の言葉を発する。それを聞いた時、私は初めてこの首都に入る前の「関門」での検査のことを思い出していた。
「キミツプログラムシャットダウン・コウシンプログラムインストール・イミフメイワードケンサク・ヒョウテキショリブツカクニン・ジッコウ」
男の全身からは先ほどから聞こえていた歪な機械音が大きな音を立て始めていて、笑みを湛えながら最後には何か恐ろしい言葉を放っている。私の中の防衛本能が働き、どうにかしてこの状況から逃げ出さなければと初めは思った。しかし男の片手はまるで蛇に巻きつかれたようにぴったりとくっついて離れてはくれない。首を絞められ続けて既に意識が薄らとしている私に抗う力もない。苦しさのあまりに両目尻からは熱い水滴が溢れては流れ、口元からはだらしなく涎が溢れて顎から喉元へと伝い始めたその時、金属を叩きつけるような激しい音と共に、私の身体の中へ一気に酸素が流れ込むと同時に口内で溢れていた唾液が喉奥へと一気に流れ込んだ。その為に息が楽になったはずなのに苦しくて、私はその場に倒れ込むと大きく咳き込んだ。そのような私のすぐ傍に誰かがいる気配を感じて、咳き込みながらも涙で濡れた顔を上へと向けてみる。
「何で、これが首都に存在しているんだ?」
そこに立っているのは一人の男で、私の方は全く構わずに誰かと話している。恐らく携帯の電話でそうしているのだろう。無表情で片耳に人差し指を当てていた。
「『H地区』の南西方向、学生マンションの前。すぐに回収に来てくれ。追跡番号は2×××、よろしくな」
街灯が電話の相手と話す男の姿をぼんやりと照らす。その男は普通の格好をしていたが、携帯で話している言葉を聞いていれば、ただ単なる通りがかりの者ではないようだった。そしてその男の姿を上から下まで涙で霞む瞳で落としていくと、先ほど私を襲っていた男が全身からあの歪な機械音を鳴らしながら小さな火花を散らして仰向けに倒れていた。
く、苦しい……
暗闇に慣れる為に私の両目の瞳孔に散瞳が起こる。息苦しい中でその両の瞳に映し出されたのはあの男の顔。その中には相も変わらない笑みが浮かび上がっている。その男は『ヒト』のものとは思えない程の強い握力で私の首を、それも片手で押し潰そうとしていて、そのような行動の中で意味不明の言葉を発する。それを聞いた時、私は初めてこの首都に入る前の「関門」での検査のことを思い出していた。
「キミツプログラムシャットダウン・コウシンプログラムインストール・イミフメイワードケンサク・ヒョウテキショリブツカクニン・ジッコウ」
男の全身からは先ほどから聞こえていた歪な機械音が大きな音を立て始めていて、笑みを湛えながら最後には何か恐ろしい言葉を放っている。私の中の防衛本能が働き、どうにかしてこの状況から逃げ出さなければと初めは思った。しかし男の片手はまるで蛇に巻きつかれたようにぴったりとくっついて離れてはくれない。首を絞められ続けて既に意識が薄らとしている私に抗う力もない。苦しさのあまりに両目尻からは熱い水滴が溢れては流れ、口元からはだらしなく涎が溢れて顎から喉元へと伝い始めたその時、金属を叩きつけるような激しい音と共に、私の身体の中へ一気に酸素が流れ込むと同時に口内で溢れていた唾液が喉奥へと一気に流れ込んだ。その為に息が楽になったはずなのに苦しくて、私はその場に倒れ込むと大きく咳き込んだ。そのような私のすぐ傍に誰かがいる気配を感じて、咳き込みながらも涙で濡れた顔を上へと向けてみる。
「何で、これが首都に存在しているんだ?」
そこに立っているのは一人の男で、私の方は全く構わずに誰かと話している。恐らく携帯の電話でそうしているのだろう。無表情で片耳に人差し指を当てていた。
「『H地区』の南西方向、学生マンションの前。すぐに回収に来てくれ。追跡番号は2×××、よろしくな」
街灯が電話の相手と話す男の姿をぼんやりと照らす。その男は普通の格好をしていたが、携帯で話している言葉を聞いていれば、ただ単なる通りがかりの者ではないようだった。そしてその男の姿を上から下まで涙で霞む瞳で落としていくと、先ほど私を襲っていた男が全身からあの歪な機械音を鳴らしながら小さな火花を散らして仰向けに倒れていた。