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保健体育の授業
第9章 それぞれの道~敦也~

『とりあえず手伝うから服着よう…』
コクりとうなずき少し影の方へ行き
広大に手伝ってもらいながら
服を着終えると広大が私の両腕を
大きな手でそっと包むと
『俺は敦也と李久のところに行ってくる。
ここで待っててくれるか…?
本当はそばにいてやりたいし
こんな時にお前を一人にしたくないけど
今連れていくのは危険すぎる…』
そう言って根性焼きの傷口の回りを
優しくそっと撫でた。
広大の想いも伝わってきたし
付いていくのも怖かったから
広大の目を見て頷いた。
『ちゃんと…帰ってくるよね…?』
そう聞くとニコッと笑って
『あったり前だろ!』
頭をくしゃくしゃと撫で
また真剣な顔つきに戻り
『じゃあ行ってくるな。』
手をギュッと握ってくれたので
握り返すとそっと手を離して
広大は走っていった。

