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美女の危ない立回り
第2章 危ない立ち回り(大学3年の夏)
ユウカから微笑が消え、何かを思案するような表情になる。
サトルは昇った血がサーと血が引いて行くのがわかった。
やはり、マズイ発言だったか。
今日は少し話せたからといって舞い上がってしまった事を悔やんだ。
サトルは付き合っている彼女の顔が思い浮かんだ。
申し訳ない事をしたと思った。
サトル「・・・いや、やっぱり無理なら・・・!」
ユウカ「ううん、私も歩き疲れてたトコ・・・
少し休憩していきましょ?」
予想とは違う回答にサトルは固まってしまった。
ユウカ「どうしたの?」
ユウカはまたあの優しい微笑を浮かべていた。
サトル「え、いえ。別に・・・」
非現実的な感覚だった。
大学でダントツに美人なあのユウカ先輩とラブホテルに今から入ろうとしているのだ。
サトル「こ、ここで大丈夫ですか?」
さっきのカップルが入っていったホテルの入口の前に二人は来ていた。
ユウカ「うん、いいよ」
一階のロビーに入ると先程の男女が部屋選びをしている最中であった。
何やら価格帯が近い二部屋で悩んでいるようであった。
「えーどっちにするぅ?」
「どっちも変わんないよ!さ、さキミ決めちゃっていいよ!」
どうやら若い女の方に選ばせるようだ。
その女性は大きなパネルに写された部屋毎のイメージ写真と睨らめっこして、まだ悩んでいるようであった。
中年の男の方が、何気無しにこちらを見た。そしてユウカの顔見て目を一瞬見開くようにして、固まった。ユウカが視線に気づいて見返すと慌てて中年の男は視線を逸らせた。
その後も若い女に部屋を選んでもらっている間、チラチラとこっちを見てきた。
これから別の女性と部屋に入ろうというのに、中年の男は明らかにユウカを意識しているようであった。
サトルの方にも、ユウカと見比べるように視線を送った。吊り合わないと思っているかもしれないなとサトルは思った。
ようやく若い女性が部屋を選んでエレベーターの方へ向かった。男は名残惜しそうに、最後までユウカの事をチラチラと見ていた。