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Restraint
第12章 5
-KANO

俺は、焦っていた

直樹が逃げ出して

戻す方法も分からず、なぜ逃げたかも分からず

けれど、普通に仕事をしている直樹の姿に安心した自分がいて

それでも俺の元に直樹が居ない虚無感は拭えなくて


向けられる目線の冷たさに恐怖を覚えた

思いついた方法は、今思えば最低で


元々来威さんが設定した休みの期限まで数日しかない

それが終われば直樹は俺の元から離れる

だから、俺は

何としてでも、手に入れたかった

直樹のココロを

俺から逃げられなくしちまえばいい

俺に、溺れて

俺の下だけで鳴けばいい

俺の、モノだけであって欲しい


でも直樹は俺を見ない。俺だけのものであろうとしない


だから、焦っていた

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