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第12章 Trick or Treat

彼が用意した仮装の衣装は
アメリカンポリスとバンパイア

どちらでもいい。

そう思うって眺めていると。

『シュージはバンパイアな！』

そう言って手渡された。
僕に決める権利はなかったらしい。

いそいそと着替え始める。

黒のタキシードに真っ黒なマント。

…ただのコスプレした僕。

なんか恥ずかしい。

『アツシ…着替えたで…』

おずおずと彼を呼ぶと

『おー！
ちょい待ち俺終わったら化粧したるわ』

化粧するのか…

そう言って彼が終わるのを待つ

彼は険しい顔で鏡を見ながら
赤いチューブのようなもので
血痕をつけて行く。

へー凄い。


出来上がった彼をしげしげと眺める。
顔は青白く。

目には赤いコンタクトが入っている。

口には流れている血液。

ところ所に血が流れ落ちたような

染みを作っている。

はだけさせた水色のシャツには
ポリスマークの入った大きなバッジ

隙間から見える肌は
聖書の文字が書いてある。

袖は自分で破いたのか
ほつれた糸が出ている。

結構出来のいいゾンビポリス