この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
振り向けば…
第21章 喋れば変態…



拓也さんの車に乗り、ちょっとお洒落なフレンチレストランに向かう。

車の中でとんでもない事に気付いた。

ふと見た自分の手に泣きたい気分になり、脱いだコートの中にそっとその手を隠してまう。

爪の中に泥が詰まってる。

ネイルすらしてない爪…。

みっともないと思うた。

お店に入るなり拓也さんに


「ごめんなさい、ちょっと先にお手洗いに行って来ます。」


と言う羽目になる。

カッコ悪い。

せっかくのクリスマスのデートなのに…。

店内はお客様のほとんどがアベックや夫婦ばかり。

とても綺麗に化粧をしてネイルをしてキラキラのアクセサリーを付けた女性ばかりが目に入る。

トイレでガシガシと爪の中を洗うのに詰まった泥がながなか取れず冷たい水に手が痛くなって来る。

鏡の中には惨めな自分が居る。

化粧すら満足にせず、埃まみれで髪はペタンコ。

アクセサリーどころかバッグすら学生時代に買うた子供っぽい安物。

弁護士の彼女?

ガテン系の女が?

笑っちゃう。

これこそ人生最大の背伸びだと思う。

たかがワンピース1つで拓也さんに釣り合う女になれる訳がない。

私はちっぽけで惨めな女だ。

何も出来ない。

誰の役にも立たない。

必死に自分の為に生きていくのに精一杯…。

惨めさに泣きたい自分を堪えて作り笑顔で拓也さんと食事をする。


「玲奈さんが妊娠中ですって…。」

「聞いたよ。日下がお小遣いを減らされたと…。」

「相変わらずですよね。」

「でも、羨ましいと思います。」


穏やかな会話。

素敵なレストラン。

美味しい食事…。

全てが私に相応しくない。

爽やかな笑顔で私を見る拓也さん…。

惨めな私を見ないで!

そう叫びそうになる。


「そろそろ送ります。」


そう言われてホッとする。


/772ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ