この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
振り向けば…
第25章 深いよ…
「これ…、もしかして鳥居か?」
いわゆる神社の鳥居が地面に深く埋まってる。
「大正時代の噴火で埋まったらしい。今はそのままにして保存する事で当時の災害の大変さを伝える役目にしてるんやと。」
悠真がガイドブックを見ながら教えてくれる。
「考えたら、噴火も災害なんよね?」
「けど、鹿児島の人らはその災害を乗り越えて観光にしとる。それだけの知識や強さがあったという事や。今は震災が起きるたびに騒いでる日本やけど、そのうちに知識や強さを活かして災害国として観光で潤う事も可能になるかもな。」
災害の全てが悪い事ばかりじゃないと悠真が言う。
乗り越える強さが欲しいと神社で願う。
悠真と2人で乗り越えられる強さを私に下さい。
神頼みだけをして桜島を後にする。
そこからは市内観光…。
「また銅像や。」
「大久保 利通か?」
「誰やそれ?」
「維新の三傑とか言われた人やぞ?」
「だから誰?」
「お前、歴史で習うたやろ?」
「理数クラスに歴史はないやん。」
「いんや、中学で習うた。維新の三傑はちゃんと習うた。だからお前も習うとる。」
悠真がふんっと鼻を鳴らす。
そもそも私は歴史が苦手やから理系に行ったんじゃ!
偉そうな態度の悠真にそう言うてやりたかった。
そのまま移動を続けると新幹線の駅前にもやはり銅像が見える。
「鹿児島人って銅像だらけ?」
西郷さんくらいだと思うてた。
「そりゃ、維新の時代には有名な人が多かったからな。代表的なんは篤姫とかやろ?大河ドラマとかにまでなった人や。」
「ふむふむ…。」
「お前…、今更、学ぶ気がないやろ?」
「あっ!ほら、悠真!白クマや!」
「なぬ!?」
今やコンビニアイスで同じみの白クマアイス。
その本店を見つけて悠真と食べる。