この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
振り向けば…
第5章 悔しいけど…
年末…。
私の誕生日の前日にお父さんが帰って来た。
「間に合うたぁ…。」
私の誕生日には絶対に帰るとお父さんが病院に駄々を捏ねたと言う。
「ちゃんと病気を治して帰って来なあかんやろ?」
「大丈夫や。」
お父さんが私の頭の撫でて笑う。
誕生日には悠真も来る。
お父さんも居る。
「2人とも受験やな。頑張れや。」
そんな話ばかりの誕生日。
受験に失敗したらどうしようと考える。
悠真は相変わらず携帯のゲームをしたりして遊んでいる。
年が明けて私立の受験が始まった。
悠真は私立を受験しない。
私立はなんとか無事に合格をしたから少しだけホッとした。
航大は私が受けた私立よりもレベルの低い私立に専願で受験して無事に合格をしたからもう受験がないと余裕の顔で遊んでいる。
高橋君は私が受けた私立にサッカーの推薦で合格をしたと言う。
「森本さんも私立にしたらええやん。」
高橋君からそう言われても高橋君を冷たい目で見てしまう。
私が行かなければいけないのは公立。
私立は公立よりも学費が高い。
お父さんが病気で苦労をしてるのに余計な負担を家族に掛けたくはない。
肉屋は公立。
だけどかなりレベルの低い工業高校。
「肉屋がなんで工業やねん?」
「偏差値40の学校って工業しかないからや。」
頭が悪いんやからと胸を張る肉屋が理解出来ない。
「受験の当日は出来るだけ同じ高校を受験する子と一緒に行くようにして下さい。」
学校の先生がそう言うから私が受験する公立高校を受ける子は学校の前で待ち合わせをする。
待ち合わせに何故か悠真が居る。
悠真が受験する学校も待ち合わせなのかと思う。