この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
振り向けば…
第5章 悔しいけど…
それでも入学祝いだからと悠真と私にお父さんが新しい自転車を買うてくれる。
2人で仲良く電動自転車…。
同じ自転車なのに悠真の方が走るのが速い。
「来夢さん…、足が短いから…。」
嫌味ったらしく言う悠真を蹴飛ばす癖がついた。
入学式が終わり始めは悠真と一緒に通うてた。
ひと月もすれば悠真とは一緒に通わなくなる。
理由は私が部活を始めたから…。
正直に迷うてた。
だけど大学推薦に有利になるから部活はやっておくべきだと言われたら部活見学に参加する。
悠真は部活はやらないと言ってさっさと帰ってしまうから新しく出来た友達と部活勧誘を見に行った。
友達は山内 美保(みほ)…。
「やっぱり中学の時もテニスやったからテニス部かなぁ…。来夢は?」
「陸上部…、けど高校の陸上部は厳しそう。」
そんな会話をしていると、ふわりと誰かが私の後ろから腕を回す。
「ねぇ…、水泳部に来ない?」
響く声で耳元に囁かれる。
「キャーっ!」
美保が笑いながら悲鳴を上げる。
私だけが状況がわからずに
「泳げません!」
と叫んでた。
「じゃあ、マネージャーは?」
声の主が私の顔を覗き込む。
少し浅黒い肌に猫みたいな鋭い目をした男の人。
180cmくらいあってガッチリとした身体のイケメンさんが私に微笑む姿に目を見開く。
「マネージャーなら…。」
呟くように答える。
「こんちゃん!1人女の子ゲット!」
その人が叫ぶとこんちゃんと呼ばれた人が
「ぐっさん!グッジョブ!」
と言うて親指を立てて笑うてる。
溝口 大志(たいし)先輩…2年生の副部長さん。
通称が『ぐっさん』。
通称『こんちゃん』は近藤 祐輔(ゆうすけ)先輩。
やはり同じ2年生の部長さん。