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ありがとうを君に…
第5章 失うもの

「どうしよう…」
ついつい口から出た言葉…

突然の事でどうしていいかわからず
トイレの中で動けずにいた

なかなかトイレから出ない私を心配したのか
誠一がドアをノックしてくる

「大丈夫か?お腹痛いのか?」
「…………」

あっ、早く出なきゃ…やっぱり誠一に言わなきゃ
いけないよね…病院にも行かなきゃだよね
頭の中パニックになりそう…

ガチャッ…

スタッ スタッ スタッ
「大丈夫か?」
と、心配そうに顔を覗き込む

「あの…あのね、私妊娠したみたいなの…」
「……」

「あの…ねっ……」
「やったじゃん、よっしゃー!病院いつ行く?」

「えっ?あー…今度、いつ…行こうかな…」
「早く行こう 何月予定日?男?女?どっち
だよー 笑」


うわっ、こんな顔の誠一久しぶりに見るな…
すっごく嬉しそう…


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