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第4章 ラチッタデラ

だが智広は、このオアシスに足を踏み入れて数十分で帰りたくなった。

おそらく、これから向かう目的地が原因で後ろめたさを感じているのだろうと自らを分析する。

智広が移動もせずこの場を離れないのはソープランドに行く決心がつかないからだ。

ため息を吐きながら空を仰ぐ。

宇宙まで突き抜ける空は雲一つなく施設の中には心地いい秋風が吹き抜けていった。

きっと智広も勝見愛と休日をこんな素敵な場所で過ごせたら、周辺を歩くカップルのようにお互いに笑顔を投げかけながら二人の世界に浸かっていたのかもしれない。