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郁美の真実 〜妻を閉じ込めた魂の檻〜
第12章 〜郁美の彷徨〜
叔父と、叔父の長男義彦による肉体的、精神的支配は終わった。

なにより、郁美にとって、叔父や義彦との関係が両親に知れるリスクが取り払われたのが、なにより彼女を安堵させた。

この後、郁美の通う学校が女子校であることもあって、恐怖の対象である男たちとの接触も少なく、郁美の精神は安定した。

しばらくの間、郁美と同じ年頃の女の子が普通に味わうはずであろう、平穏で楽しい生活が続いた。

郁美は高等部に進学し、そんな生活がそのまま続くのかと思われた。

ところがある日、そんな平穏な生活を変える出来事が起こる。

高等部へ進学し、高校2年生となった郁美は、成績優秀で、かなり高レベルの大学への進学が視野に入っていた。

それで、両親の勧めもあり、高校2年の夏から、自宅から少し離れた場所にある、有名進学予備校へ通うことになった。

高校とは逆方向にあり、帰りはサラリーマンの帰宅ラッシュでギュウギュウ詰めの電車に乗る羽目になってしまう。

郁美が電車に乗るときは、それほど混んでいない状況なのだが、次の駅でかなりの人数が乗り込んでくるため、毎回郁美は電車の連結部に押し込められてしまった。
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