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初めて女を抱くらしい私の護衛に甘やかされ過ぎて困っています
第1章 初夜の問題
「んっ……は」
長い口づけを交し合った後、ローゼルは切ない溜息を吐きました。
満ち足りた思いと同時に、もっと、という切迫した気持ちが湧き上がって来て、体が疼く様な気が致しました。
「……お嬢様?大丈夫ですか?」
「ん……大丈夫よ……」
やっと婚約を了承してくれた男は、ローゼルにとことん甘く、優しくて、どこまでも忠実です。今もローゼルを気遣って、乱れた髪をせっせと整えてくれておりました。
「……良い気持ち……幸せ……」
「へへ……俺もでさぁ」
髪を整える手に甘え、微笑み合いながらも、ローゼルには気になっている事が有りました。
「ねえ、ビスカス?」
「へい?」
「……もしかして、私、自分で脱いだ方が良い?」
髪を整え終えてローゼルの頬を撫でていたビスカスは、ローゼルの言葉にぎくりとしました。
先程からローゼルの服を脱がせていたビスカスですが、飾り紐が絡まって手に負えなくなったため、実は密かに途方に暮れていたのです。
「あー……ありがとうごぜーやす……申し訳ございやせん……」
「やっぱり、まだ不器用なのね」
「へ……いっ!?」
ローゼルは装飾品を全て外して絡まったドレスの紐を解き、比翼の下の見えないボタンを開け、柔らかい空色の生地を肩から滑らせて、寝台の上に落としました。
それと同時に、ビスカスはローゼルの露わになった裸体から、慌てて顔を背けました。
「何よ、失礼ね」
「……や……神々しくて」
「見なさい。見なきゃ初床にならないじゃないの」
「へい……ぐぇっ……」
恐る恐るローゼルの方を見たビスカスは、蛙がつぶれた時のような変な声を挙げて目を伏せました。
「ビスカス?」
「……っへぇ……おっぱいが……恐れ多くて」
「お前、何言ってるのよ」
ビスカスは、よく恥ずかしげも無くおっぱいおっぱい言っています。それが日常なのですから、現物を見て恥ずかしがるのは、本末転倒と言うものです。
「見て。触って」
「さっ……触って、もっ……」
「触らなきゃ、初床にならないじゃないの」
ローゼルは、呆れた声を出しました。