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セイドレイ【完結】
第24章 性夜の鐘

それから4日経った、12月24日。
クリスマスイヴの夜に、武田家の "家族4人" は、ダイニングテーブルを囲んでいた。
テーブルの上には、鶏の丸焼きなどのクリスマスディナーがずらりと並んでいる。
それらをこしらえたのは── "裸にエプロン" のみを身につけた、亜美だった。
これは一体どういう風の吹き回しなのかと、状況を読み込めない健一と慎二。
それでも、レースがあしらわれた小ぶりのエプロンから覗く亜美の巨乳や桃尻に、ネットリとしたまなざしを向けざるを得ない様子である。
「──はい。これで全部揃いました。お待たせしてすいません」
亜美はそう言うと、何食わぬ顔で席についた。
すかさず健一が疑問を口にする。
「今日はこれ…どういう集まり…なんだ?」
「どうもこうも、家族でクリスマスを迎えることになんの疑問がある。普通のことじゃないか。なぁ?亜美」
雅彦がそう言うと、亜美は少し恥ずかしそうにしながら小さくうなづいた。
やはり、なにかが妙だ──腑に落ちない健一は、さらに続ける。
「──いやいや。そもそもクリスマスなんて、母さんが死んでから一度もやってねぇじゃん。なんで今さら…しかも、亜美にそんな格好までさせて…」
「…嫌いか?文句を言うなら、クリスマスイヴにデートの約束もない自分を呪うんだな」
「いや別に嫌いとかじゃ…むしろ好きだけど…。てかそうじゃなくて!急にどうしたのかな、と思ってさ…」
すると、ここでようやく亜美が口を開いた。
「──実は、今日集まっていただいたのは、私が言い出したことなんです…」
「え…?そうなの…?」
「はい。お父様にはもう話したんですが、私…あらためて、みなさんに…ちゃんとごあいさつしたくて…」
「あ、あいさつ??待って、全然話が読めないんだけど…」
困惑した表情を浮かべる健一と、その横で黙ったままの慎二。
亜美はそんな2人に語りかける。
「今までいろいろありましたけど…私が間違ってました。ごめんなさい。身寄りのない私を迎え入れてくれたみなさんに、これからは精一杯恩返ししていきたいと思ったんです。もっと早く、素直にそう思えたらよかったんですけど…」
その言葉に、それまで無反応だった慎二も目を丸くして驚く。
「…だから、今日はその記念に…お口に合うか分かりませんが、一生懸命作りました…」

