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セイドレイ【完結】
第53章 落日
何か行き違いがあったか。
それともワザとなのかーー。

どちらにせよ、安藤が亜美を置いて帰ってしまったのは事実のようだった。

(どうしよう...電車で帰ってもいいけど...それか、健一さんに連絡して迎えに来てもらおうかな...)

亜美が頭を悩ませていると、ここへ来て意外な人物が亜美に声を掛けて来る。

「...市川君、せっかくだ。今日くらい多少遅くなっても構わんだろう?一軒だけ付き合いなさい。帰りはタクシーを使うと良い。もちろん金は儂が出す」

そう言ったのは、飲み会中、亜美と視線すら合わせなかった大川だった。

「...しゃ、社長...?!でも...申し訳ないですし...」

「いいじゃないか。なぁ?他の連中もそうしたいようだし。爺ばかりが嫌なら、木下の相手でもしてくれればいい。ほら行くぞ」

大川は半ば強引に亜美を二次会へと誘う。

(困ったな...今8時か...。気が乗らないけど、一軒だけなら10時には帰れるかな。断ると後で何言われるか分からないし。それに木下さんも一緒なら...)

亜美は渋々了承すると、健一に『少し遅くなる』とのメッセージを送信した。

亜美を含め総勢6人が二次会へ向かう為、3-3に分かれて2台のタクシーに乗り込む。
その内、木下以外の4人は皆役員連中だ。

亜美はタクシーの助手席に座る。
後部座席には大川と、木下が乗っていた。

「...市川さん、僕と1個しか歳違わないのに、もう結婚して子供も居るなんてすごいですね...何だかしっかりしてるし...」

後ろからそんな木下の声が聞こえて来る。

「...そ、そんなことないですよ。全然、しっかりなんて...」

「そうかなぁ?...でも、旦那さんが羨ましいや。こんな綺麗な人が奥さんだなんて。それに、言われなきゃ子供が居るようには全然見えないですよ。ね?社長もそう思いません?」

「...ふんっ。木下、お前何を考えてるのかは知らんが、やるならバレんようにやれよ?じゃないと、会社のババア連中がうるさいからなぁ」

そんな何とも言えない会話をしながら、車が走ること約10分。

「...お、運転手さん。あの先のとこで降ろしてくれ」

大川がそう言うと、タクシーが路肩に停車する。
ほぼ同時に、他の役員達を乗せたもう一台のタクシーも到着したようだった。
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