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甘い瞬間まで待っていて
第8章 置いてあった合鍵。
欲しいものはすべて買ってもらえた。

服や鞄も特注だった。何不自由なかった。

毎日専属シェフの作った料理も美味しかった。

君の父の横領で俺の世界は一変した。

家すべてが差し押さえられ 蜘蛛の巣が張って

ひび割れした汚い家に爺ちゃんと住んだ。

さぞかしいい暮らしをしてるんだとばかり思っていた。


恨んでいた筈の君にいつの間にか夢中になって。

挙げ句の果には独り占めしたいと思った。

憎もうと思っていた相手に揺らぐなんて。

俺には言葉で縛るしか今の俺には方法が思いつかなくて。




君は僕のことをずる賢い最低な男だと思うだろう?

君が他人の男に向ける笑顔、言葉に嫉妬して

誰にも見えないところに閉じ込めたくなる。

誰にも渡したくない…

今の俺はあの頃と全然変わらないんだ。





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