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せめて、今夜だけ…
第6章 刹那
ガタン…。
力なく壁にもたれた俺は、そのままその場に座り込んでしまった。
ただ、魚月がいなくなっただけ。
「あ…、会社…」
俺は何とか自分に言い聞かせた。
こんなの、いつもの事だ。
行為が終わったらさっさと帰る。
女が先に帰ってラッキーだ。
後からごちゃごちゃ言われなくて済むんだから、楽なもんじゃねぇか。
なのに、何でこんな喪失感を感じてるんだ。
喪失感を感じながら、身体中に残る微熱が引かない。
「会社、行きたくねぇ…」
夢のような時間…
自由の時間はもう終わってしまったのに…。