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舞い降りた天使
第7章 桜
「失礼しまーす」
コンビニから戻ると
俺はさっちゃんと一緒に
真穂のグループが仕事をしているところで 大きな声をだした
「あ、栗原くん…」
「これ、徳永さんから
みなさんに差し入れでーす。
子供がお邪魔してるからって」
そう言いながら
俺はみんなにおにぎりを渡した
もちろんさっちゃんは
すぐにお母さんとのところへ駆け寄り
そして黙ったまま
小さくなっていた
「徳永さんすみませーん」
「ご馳走さまでーす」
同僚から声をかけられ
徳永さんは
ちょっと複雑な顔で頭を下げていた
俺が勝手にやったことだからだ
そして真穂は
さっちゃんと俺の元に来て
小さな声で話しかけた
「気を利かせてくれて
ありがとう」
「ごめんね、勝手に」
「とんでもない」
「さっちゃん
僕ともう少し待てる?」
「うん」
「塗り絵好き?」
「うん」
「アニメの塗り絵あるんだ。
行こうか」
「うん!」
「じゃ、徳永さん頑張ってね」
そう言って
さっちゃんと手を繋ぐと
「あ…うん」
徳永さんが
ちょっと不思議そうな顔をした
「何?」
「さっちゃんが
すごく栗原くんに慣れてるから」
そーゆーことか
他の人だと
慣れるのにもっと
時間がかかるのかもしれないな
だったら
駿太が人見知りで良かった
あいつが小さい頃は大変だったけど
なんて思いながら
俺はニコッと笑って
真穂にエクボを見せた
「俺、天使だから」
「天使?クスッ(笑)
そうかもね。
じゃ、さっちゃん
もう少し待っててね」
「はーい」