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舞い降りた天使
第9章 告白
「真穂も座って」
「うん」
さっき抱きしめ合ったことを
恥ずかしがってるのか
照れてるのか
真穂は
あまり俺に目を合わそうとせず
少し遠慮がちに
ソファに腰を下ろした
真穂は
俺とどう接すればいいのか
迷ってるのかもしれない
友達だと言いながら
抱き寄せたり
キスをする俺と…
でも
俺だって戸惑ってるよ
『会いたかった』と言う真穂に
抱きしめる俺の背中に
腕を回す真穂に
なぁ真穂
俺のこと
好き?
「真穂」
「ん?」
「あれから眠れた?」
「…あんまり(苦笑)」
「俺も(笑)」
そう言うと
真穂は少し笑みを浮かべた
やっぱり
笑ってる真穂が
一番可愛い
「旦那さんは?
帰ってきた?」
「ううん。
まだ帰って来てなくて…」
「そっか」
「うん」
「じゃあ
もっと電話してればよかったな」
「ううん。
もう、遅かったし」
「全然遅くないよ。
朝まででも
俺は話したかった」
「ほんとに…優しいね。
だからつい
甘えちゃって」
「足りないよ」
「え?」
「真穂の甘え方は
全然足りない」
「……」
「もっともっと甘えて欲しいのに」
そう言って
真穂を抱き寄せると
今度は
真穂の手が
俺の背中に触れることはなかった
「昨日の夜だって
眠れないなら
メールしてもよかったんだ。
今泣いたっていいし
何があったのか
もっと話して欲しい。
して欲しいことあるなら
なんでも言っていいんだよ、真穂」
「……」
「俺は真穂から離れたりしないから」
これはもう
どんなに天然な人にでも伝わる
告白だ
そんなこと言えば
不倫を気にする真穂を
追い詰めるかもしれないのに
「巧くん…」
「ん?」
「……どうしよう」
そう言うと真穂は
俺の腕に抱かれたまま
やんわりと
俺の背中に手を回した
「何?…真穂」
「して欲しいことは…」
「うん」
「言ってはいけないことばかりなの」