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舞い降りた天使
第12章 通告
「変やなぁ
公園行くのにこんな服着て行ったんか」
「や、待って」
嫌味な言い方のパパの手は
あっという間に
太ももを通り過ぎ
まるで私が生理じゃないかどうかを確認するように
股間を指でなぞった
ずっと
セックスレスだった
パパに優しくされたいと思っていた
セックスをすれば
また優しくしてもらえるのかもしれないと
思っていたこともあった
抱かれたい
女として見られたい
パパに欲情されたいと
本当に思っていた
それなのに
私の下半身をなぞるそのパパの指に
今の私はゾッとし
そして
これ以上触れられたくないとさえ
感じていた
「なんで待たなあかんねん。
久しぶりに帰って来たんやからええやろ」
嘘…私…この人に犯されるの?
桜の怪我のことを心配することもせず
私の浮気を疑い
そして
こんな時に
突然抱こうとするなんて
信じられない
「さ、桜が起きてきたらどうするの?
やめて、ねぇ、パパ」
パパは私の話に聞く耳を持たず
ベルトを外しながら低い声で
「脱げや」
と呟いた
いや、脱ぎたくない
触れられたくない
巧くんのベルトの音に
きゅんとしたことが嘘のように
今聞こえる
ベルトを外す音は
恐怖にさえ思えた
お願い…助けて
「おい!真穂!」
私は立ち上がり
携帯を握りしめて
急いでリビングから飛び出していた
そんなことをすれば
あとでひどく叱られることは
目に見えてる
でも
どうしても
このまま従いたくはなかった
逃げ出したい
この家から
今すぐ出て行きたい
そう思ったけど
私は玄関に向かわず
桜が眠る寝室に逃げ込むと
急いでドアを閉めて鍵をかけた